日産グローバル本社ギャラリーでは、2015年6月9日から6月28日まで、ル・マン24時間レースに関連した展示が行われている。
今回はル・マン24時間レースの公認用に1台だけ制作されたR390 GT1のロードカーを紹介する。
ニッサン R390 GT1 ル・マン公認用ロードカー (1998年 R390型)
1990年代半ばから後半のル・マン24時間レースでは、「GT1」という車両規定のマシンで優勝争いが繰り広げられていた。
GT1規定では、公道走行できる市販車を最低1台生産し、ナンバーを登録することが求められたため、レースカーのベースとなる車両を制作して市販車として登録することでル・マン24時間レースへの出場権を得ていた。
日産・ニスモは1995年(平成7年)と1996年(平成8年)にスカイラインGT-Rをベースにした「NISMO GT-R LM」でル・マン24時間レースに参戦した。
これを引き継ぐマシンとして開発されたニッサン R390GT1も、GT1規定に基づいて最低1台の市販車を登録することが求められた。
そこで、一般公道の走行に必要な安全装備を施すなどして登録を行い、レース参戦資格を得るために制作されたのが今回の展示車である。
発売はされなかったが、もし発売されたら1億円はするだろうと噂されたモデルでもある。
リア後端はスポイラー状に造形されている。
内装はレッドとブラックのレザーシートが装備されている。
インストルメントパネルもレッドレザーが張られている。
V8ツインターボエンジンは、ヘッドカバーに「NISSAN Power」のロゴが入れられている。
リアサスペンションのスプリングとダンパーは水平配置されている。
ヘリテージコレクションNo.182
全長:4,720㎜
全幅:2,000㎜
全高:1,140㎜
ホイールベース:2,720㎜
トレッド(前/後):1,730㎜/1,670㎜
車両重量:1,000㎏以上
サスペンション(前後共):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前後共):AP製14インチベンチレーテッドディスク
タイア(前/後):245-40-ZR18/295-35ZR19
エンジン主要諸元
エンジン型式:VRH35L(V型8気筒・DOHCツインターボ)
総排気量:3,495㏄
最高出力:257kW(350ps)以上/5,200rpm
最大トルク:490N・m(50.0kgm)以上/4,000rpm