横浜市の日産グローバル本社ギャラリーでは、2018年8月21日から11月27日までの予定で、特別展示イベント「世界に挑め。日産グローバルモータースポーツ60年~ 60 years of NISSAN International Motorsport~」を開催している。
日産が海外でのモータースポーツ活動を始めてから60年となるのを記念して、ヘリテージカーの中から代表的な競技車両14台が2台ずつ7回に分けて展示される。
今回は8月21日から9月2日まで展示されている、411型ブルーバードのサファリラリー参戦車を紹介する。
ダットサン ブルーバード 1300SS 1966年第14回東アフリカサファリラリー クラス優勝車(1966年・DP411型)
2代目ブルーバード(410型)は1963年(昭和38年)9月に発売され、翌年3月に「1200SS」が追加された。
1200SSはブルーバードで初めてのスポーツタイプのグレードで、SSは「スポーツ・セダン」の略。
1965年(昭和40年)5月にマイナーチェンジが行われて411型となり、1200SSは排気量が拡大されて「1300SS」となった。
1200SSのE型エンジンは65psだったが、1300SSのJ型エンジンは72psに出力が向上し、最高速度は150㎞/h。
同時に90psを発生する1.6リッター・R型エンジン搭載の「1600SSS(スリーエス)」が追加された。
SSSは「スーパー・スポーツ・セダン」の略で、その後ブルーバードを代表するグレード名となる。
411型ブルーバードは1966年(昭和41年)4月、第14回東アフリカサファリラリーに4台体制でエントリー。
使用されたグレードは1300SSで、グリンリー/ダンク組が総合5位で日本車初のクラス優勝となった。
この年のサファリラリーは88台が参加したが、完走できたのはわずか9台だった。
展示車はクラス優勝した実車で、レストアを行わず当時のままの状態で保存されている。
当時日産の実験部長だった笠原剛三氏がこの時の日産チームを「栄光への5000キロ」というタイトルで書籍化し、1969年(昭和44年)に俳優の石原裕次郎氏(1934-1987)の主演で映画化された。
現在ではDVDが発売されている。
ブルーバード 1300SS 1966年第14回東アフリカサファリラリー クラス優勝車 主要諸元
ヘリテージコレクションNo.042
全長:4,000㎜
全幅:1,490㎜
全高:1,470㎜
ホイールベース:2,380㎜
トレッド(前/後):1,206mm/1,198mm
車両重量:900㎏
サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/縦置きリーフ
ブレーキ(前/後):ディスク/ドラム
タイア:5.60-13 ダンロップSP44
ブルーバード 1300SS 1966年第14回東アフリカサファリラリー クラス優勝車 エンジン主要諸元
エンジン型式:J型(直列4気筒・OHV・SUツインキャブ)
総排気量:1,299㏄
最高出力:59kW(80ps)/6,400rpm
最大トルク:108N・m(11.0kgm)/4,400rpm