日産がかつて生産していた小型車「チェリー」のレース仕様車が、日産グローバル本社ギャラリーで2017年11月25日と26日に展示された。

スポンサーリンク

チェリーF-Ⅱ クーペ GX-Twinレース仕様車(1976年・KPF10型)

チェリーF-Ⅱ クーペ

1975年(昭和50年)9月にフルモデルチェンジした2代目チェリーは、「チェリーF-Ⅱ」という車名で発売された。
翌1976年(昭和51年)3月にはツインキャブレター付きエンジンを搭載する高性能グレード「GX-Twin」が追加された。

このレース仕様車はカタログ掲載用に制作されたもので、ベース車両はクーペの「GX-Twin」。
当時のTSレースのレギュレーションに合わせて制作されており、エンジンは最高出力がノーマルの92馬力から145馬力にチューニングされている。
イエローのボディカラーなのは、チェリーF-Ⅱが「黄色いチェリー」というキャッチコピーでデビューしたことが理由。

ドアミラー仕様の5号車(長谷見昌弘選手)とフェンダーミラー仕様の6号車(星野一義選手)の2台が制作され、1978年(昭和53年)5月に筑波サーキットで開催された「レース・ド・ニッポン筑波」でデモ走行した。
展示車はドアミラー仕様で、右側のみに装着されていた。

チェリーF-Ⅱ クーペ

この時期の日産は、排気ガス対策に集中するためにレース活動を中止していた。
そのためカタログ掲載用のイメージリーダーとしての役割にとどまり、国内ではデモ走行しただけだったがニュージーランドのレースに参加して優勝した。

展示車は2016年(平成28年)に日産の「名車再生クラブ」の手でレストアされた。
2016年がA型エンジン生誕50年だったことからチェリーが選ばれたという。

オーバーフェンダーと元のフェンダーの境目はきれいにパテ埋め処理されている。
ホイールはフランスのホイールメーカーであるゴッティ(GOTTI)の「073」。

チェリーF-Ⅱ クーペ

ラゲッジスペースにはバッテリーとレース用燃料タンクが装着されている。

チェリーF-Ⅱ クーペ

名車再生クラブとは

チェリーF-Ⅱ クーペ

日産の「名車再生クラブ」は、2006年(平成18年)4月に日産テクニカルセンター開発部門の従業員を中心にサークルとして開始(現在はクラブ)。

日産自動車の歴史的な車両を当時の状態で動態保存すると同時に、古い車の再生過程で過去の技術者たちの技術的な工夫や考え方を学ぶことを目的としている。

活動は休日に行われており、運営はコアメンバーが実施して毎年クラブメンバーを社内で募集している。
人数は平均100名でその内12名がコアメンバーとなっており、関連会社の従業員が参加することもあるという。

チェリーF-Ⅱ クーペ GX-Twinレース仕様車 主要諸元

ヘリテージコレクションNo.071
全長:3,825㎜
全幅:1,500㎜
全高:1,315㎜
ホイールベース:2,395㎜
トレッド(前/後):1,270mm/1,285mm
車両重量:785㎏
サスペンション(前/後):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(前/後):ディスク/ドラム
タイア(前/後):210-525-14/185-525-14

チェリーF-Ⅱ クーペ GX-Twinレース仕様車 エンジン主要諸元

エンジン型式:A12(直列4気筒・OHV)
総排気量:1,298㏄
最高出力:107kW(145ps)/8,500rpm
最大トルク:132N・m(13.5kgm)/6,800rpm

スポンサーリンク