日産 ル・マン3位のR390GT1を展示

横浜市の日産グローバル本社ギャラリーでは、2018年8月21日から11月27日までの予定で、特別展示イベント「世界に挑め。日産グローバルモータースポーツ60年~ 60 years of NISSAN International Motorsport~」を開催している。

日産が海外でのモータースポーツ活動を始めてから60年となるのを記念して、ヘリテージカーの中から代表的な競技車両14台が2台ずつ7回に分けて展示される。
今回は10月18日から10月29日まで展示されている、R390GT1を紹介する。

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ニッサン R390GT1 1998年ル・マン24時間レース 総合3位(1998年・R390型)

日産 R390GT1

R390GT1は、日産がル・マン24時間レースのためにTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)の協力を得て制作したGT1規定のレーシングカー。
設計はトニー・サウスゲートがアドバイザーとして関わっており、サウスゲートがTWRを退社する前に手掛けたジャガーXJR-15の設計を元にした。

日産 R390GT1

エンジンは3.5リッターのV型8気筒・DOHCツインターボであるVRH35L型。
このエンジンはグループCカーのR91CPに搭載されていたVRH35Z型のブースト圧を下げてリストリクターによる吸気制限に最適化したもので、型式は異なっているがエンジン自体はVRH35Zと同じである。

日産 R390GT1

R390GT1は1997年(平成9年)のル・マン24時間レースに3台が参戦したが、ギアボックスの冷却が不十分で最高位12位だった。
そのため1998年(平成10年)はギアボックスの冷却を改善する他、リヤカウルの形状をロングテールにして空力を改善し、ABS(アンチロックブレーキシステム)とTCS(トラクションコントロールシステム)を導入するという改良が行われた。

日産 R390GT1

1997年のR390GT1の記事を参照すると、リヤの形状の違いが分かる。

1998年のル・マンには30号車・31号車・32号車・33号車の4台がエントリー。
結果は32号車が日産のル・マン史上最高となる総合3位を獲得した他、30号車5位・31号車6位・33号車10位と全車10位以内で完走した。
今回の展示車は総合3位だった32号車(星野一義/鈴木亜久里/影山正彦組)の実車である。
なお、4台のうち3位の32号車と5位の30号車の実車の他、32号車と同じカラーリングを施した32号車のレプリカの3台が現在も保存されている。

日産 R390GT1

今回展示された32号車は2018年(平成30年)に外観の修復を受けて当時の姿を取り戻した。
修復前の、フロントが黄ばんだ状態の写真は下記リンクを参照。

GT1規定では、レーシングカーのベースとなるロードカー(市販車)の生産が求められていた。
R390GT1ロードカーの記事は下記リンクを参照。

ニッサン R390GT1 1998年ル・マン24時間レース 主要諸元

ヘリテージコレクションNo.183
全長:4,720㎜
全幅:2,000㎜
全高:1,090㎜
ホイールベース:2,720㎜
トレッド(前/後):1,710mm/1,640mm
車両重量:1,000㎏以上
サスペンション(前後共):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前後共):カーボンコンポジット・ベンチレーテッドディスク ABS付
タイア(前/後):280-35-R18/335-40-R18

ニッサン R390GT1 1998年ル・マン24時間レース エンジン主要諸元

エンジン型式:VRH35L(V型8気筒・DOHCツインターボ)
総排気量:3,495㏄
最高出力:478kW(650ps)以上/6,800rpm
最大トルク:706N・m(72.0kgm)以上/4,400rpm