日産初のFF車「チェリー」が、日産グローバル本社ギャラリーで2023年(令和5年)4月25日から6月12日まで展示されている。
2023年6月7日追記:展示期間が6月15日まで延長された。
チェリー 2ドア スポーツデラックス(1970年・E10型)
会場の解説用パネルには2ドア デラックスと表記されているが、展示車はデラックスの上位グレードである2ドア スポーツデラックス。
本社ショールームが自社製品のグレードを間違えている…
チェリーは1970年(昭和45年)7月21日に車名を公表した後、9月21日に発表、10月17日に発売された。
日産が1970年代にふさわしい、新しい感覚を盛り込んだ「シビルカー(国民車)構想」に基づいて開発したモデルで、人と自動車の調和を目指すことを目標とした。
居住空間の確保を優先して車体レイアウトを行い、エンジン横置きの前輪駆動方式や4輪独立懸架を採用。
エンジンは1000㏄・58psのA10型と1200㏄ツインキャブ・80psのA12型を搭載。
最高速度は140km/h(X-1は160km/h)、60km/h定地走行燃費は24km/l(X-1は22km/l)だった。
ちなみに、60km/h定地走行燃費とは当時のカタログ燃費の測定法で、車速を60km/hに保って走行した場合の燃費である。
発売当時の東京地区店頭渡し価格は、今回の展示車2ドアスポーツデラックスが46万5000円。
最も安いグレードはバンAタイプで39万5000円、最も高いグレードの4ドアX-1が57万円だった。
なお、2023年(令和5年)5月29日時点でWikipediaの「日産・チェリー」の項目では、ボディタイプについて発売当初は4ドアと2ドアのみで、バンは1972年(昭和47年)3月に追加されたと記されているが、実際には1970年(昭和45年)9月21日のチェリー発表時からバンがラインナップされていた。
「日産・プリンス合併50周年特別展示」の際のチェリーの記事は下記リンクから。
https://nissangallery.jp/ghq/cherry_201612/
チェリー 2ドア スポーツデラックス主要諸元
ヘリテージコレクションNo.064
全長:3,610㎜
全幅:1,470㎜
全高:1,380㎜
ホイールベース:2,335㎜
トレッド(前/後):1,270㎜/1,235㎜
車両重量:630㎏
サスペンション(前/後):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(前/後):ドラム/ドラム
タイヤ:6.00-12-4PR
チェリー 2ドア スポーツデラックスエンジン主要諸元
エンジン型式:A10型(直列4気筒・OHV)
総排気量:988㏄
最高出力:43kW(58ps)/6,000rpm
最大トルク:25N・m(8.0kgf・m)/4,000rpm