日産 初代セフィーロを展示

日産グローバル本社ギャラリーのヘリテージゾーンでは、初代セフィーロが2021年(令和3年)6月24日から8月17日まで展示された。
初代セフィーロは当時30代前半のヤングアダルト層をターゲットに、個性や遊び心を重視して開発された車種で、コピーライター・糸井重里氏による広告のキャッチコピー「くうねるあそぶ。」や井上陽水氏が出演するCMも話題となった。

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日産 セフィーロ クルージング(1988年・A31型)

初代セフィーロ

初代セフィーロは1988年(昭和63年)9月に発売された。
当時、日産の上級小型車にはスカイラインとローレルがあったが、スカイラインは20代が中心、ローレルは40代以上をターゲットユーザーとしており、この2車種ではカバーできない層があると考えた日産は30代前半のヤングアダルト層に向けてセフィーロを開発した。
ヤングアダルト層は当時40代だった団塊の世代と20代のヤングの中間の世代で、当時の自動車メーカーにとっては嗜好を正確に把握し切れていない市場だった。

初代セフィーロのリヤビュー

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初代セフィーロにはグレードがなかった?

初代セフィーロは発売当初、グレードの概念をなくした「セフィーロ コーディネーション」という仕組みをとっていた。
これは3種類のエンジン、3種類のサスペンション、9色のボディカラー、3種類のシート生地、2色の内装色から自由に組み合わせて注文できるセミオーダー方式だった。

ターゲットユーザーであった30代前半のヤングアダルト層が、無駄な装備にお金を払いたくないという合理的な世代だと開発者は考え、車種構成を上下のグレードではなく、欲しい機能を自由に選べる構成としていた。

セフィーロ コーディネーションはグレード名はなかったものの、サスペンションとエンジンの組み合わせを識別する名称が付けられていた。
サスペンションは標準サスペンションは名称なしで、HICAS-Ⅱ付きが「スポーツ」、電子制御サスペンション付きが「コンフォート」、エンジンはSOHCの自然吸気・RB20E型が「タウンライド」、DOHCの自然吸気・RB20DE型が「ツーリング」、DOHCターボのRB20DET型が「クルージング」となっており、発売当初のテレビCMやカタログのメインカットに登場したのはHICAS-ⅡとRB20DE型エンジンを組み合わせた「スポーツツーリング」だった。

セフィーロ コーディネーションは1990年(平成2年)に行われたマイナーチェンジで廃止された。

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展示車のセフィーロ コーディネーションは?

展示車は標準サスペンションとツインカムターボのRB20DET型エンジンを組み合わせた仕様で、セフィーロ コーディネーションの名称では「クルージング」となる。
ボディカラーは発売当時のイメージカラーだったブルーイッシュシルバーメタリック(#THO)で、シート生地は「モダン」と呼ばれる織物、内装色はオフブラック。

初代セフィーロのシート

初代セフィーロの運転席

4灯式プロジェクターヘッドランプを採用した個性的なフロントデザインは好みが分かれるもので、マイナーチェンジ後は角型ヘッドランプが追加された。
フロントバンパー側面に付いているのはコーナリングランプで、ウインカーを出した方向を照らして斜め方向の視界を向上させる。

初代セフィーロのフロントマスク

リヤコンビネーションランプはブレーキランプとウインカーをフロントのデザインに呼応するように分離し、楕円形のバックランプを埋め込むという凝ったディテールとなっている。

初代セフィーロのテールランプ

流線型のドアハンドルは、ダイキャスト製でクロームメッキ仕上げ。
車名のエンブレムは、「CEFIRO」のCとOをモチーフにしている。

日産セフィーロのエンブレム

リヤシェルフ中央に取り付けられているのはディーラーオプションの空気清浄機「ピュアトロン」だが、白く変色してしまっている。

日産純正の空気清浄機 ピュアトロン

セフィーロ クルージング 主要諸元

ヘリテージコレクションNo.458
全長:4,690㎜
全幅:1,695㎜
全高:1,375㎜
ホイールベース:2,670㎜
トレッド(前/後):1,460㎜/1,445㎜
車両重量:1,320㎏
サスペンション(前/後):ストラット/マルチリンク
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
タイア:205/60R15 89H

セフィーロ クルージング エンジン主要諸元

エンジン型式:RB20DET(直列6気筒・DOHC・ターボ)
総排気量:1,998㏄
最高出力:151kW(205ps)/6,400rpm
最大トルク:265N・m(27.0kgf・m)/3,200rpm

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