東京・銀座の日産クロッシングでは、4代目スカイライン(通称ケンメリ)のGT-Rレース仕様車を展示している。
展示期間は2018年10月14日から11月25日まで。
このレース仕様車は、東京モーターショー展示用に1台だけ制作された車両である。
スカイライン 2000GT-R レーシングコンセプト(1972年・KPGC110型)
1972年(昭和47年)9月に4代目スカイライン(C110型・通称ケンメリ)が発売された。
日産はその直後の東京モーターショーに「スカイライン2000GT-R レーシングコンセプト」を出展し、翌1973年(昭和48年)1月に市販車のスカイライン2000GT-R(通称ケンメリGT-R)が発売された。
当時の自動車業界は公害問題に対応するために排出ガスの浄化という課題を抱えており、どのメーカーも排出ガス対策に予算と人員を割かなければならない状況だった。
日産はワークスによるモータースポーツ活動を中止し、市販車のケンメリGT-Rも197台で生産終了となった。
開発責任者だった桜井眞一郎氏は後年のインタビューで、ケンメリは前モデルのハコスカよりボディが大きく重くなったことからレースで勝てるクルマではないと判断し、ケンメリでのレース参戦は開発当初より考えていなかったと述べている。
そのため、GT-R レーシングコンセプトはモーターショー展示用として制作されており、外観こそ大型のスポイラーやオーバーフェンダーが装着されているが、エンジンやトランスミッションは市販車用がそのまま搭載されている。
2007年(平成19年)に日産名車再生クラブによってフルレストアされ、同年のニスモフェスティバルで初めて走る姿を披露した。
ケンメリGT-Rの市販車が日産クロッシングに展示された際の記事は下記リンクを参照。
スカイライン 2000GT-R 主要諸元(市販車)
ヘリテージコレクションNo.067
全長:4,460㎜
全幅:1,695㎜
全高:1,380㎜
ホイールベース:2,610㎜
トレッド(前/後):1,395mm/1,375mm
車両重量:1,145㎏
サスペンション(前/後):ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ(前/後):ディスク/ディスク
タイア:175-HR14
スカイライン 2000GT-R エンジン主要諸元(市販車)
エンジン型式:S20型(直列6気筒・DOHC)
総排気量:1,989㏄
最高出力:118kW(160ps)/7,000rpm
最大トルク:177N・m(18.0kgm)/5,600rpm