日産ギャラリーでは2014年1月20日から2月12日まで新型ティアナデビューイベントが開催された。
新型ティアナでは、多くのユーザーの関心事になっている燃費向上の他、快適性に加えて運転する楽しさを盛り込むために世界初のメカニズムが採用された。
燃費を26%向上
今回からボンネットフードにダンパーが付いたエンジンルームには直列4気筒・2.5リッターのQR25DEを搭載し、駆動方式はFFのみとなる。
従来モデルではFF車が2.5リッターと3.5リッターのV型6気筒で、直列4気筒2.5リッターは4WD車のみ設定されていたが、日本では燃費を気にするユーザーが増えたことから直列4気筒のみとなった。
北米向けの兄弟車・アルティマには3.5リッター・V型6気筒のVQ35DEも設定されている。
トランスミッションは約80%のパーツに新規開発および改良を施した、新世代エクストロニックCVT。
オイルポンプの小型化などの軽量化や、摩擦抵抗の40%低減が行われた。
このCVTには走行モードの切り替えが付いており、インストルメントパネルのボタンで燃費重視の「ECOモード」を、シフトレバーで通常走行用の「ドライブモード」とスポーティな「DSモード」の切り替えが可能。
日産グローバル本社ギャラリーには、QR25DEエンジンとエクストロニックCVTが展示された。
車両後方側から見ると、インテークマニフォールドが樹脂製となっていることが分かる。
エンジン・CVTの他、電動油圧パワーステアリングや走行抵抗低減などが行われた結果、JC08モード燃費は14.4km/lで先代の11.4km/lから26%向上。
平成27年度燃費基準をクリアしている。
また、先代に比べ40㎏の軽量化が行われ、燃費や加速、ブレーキ性能の向上に貢献している。
運転する楽しさを
従来のティアナは快適性を優先したキャラクターだったが、ターゲットユーザーとなる50歳代が本物志向を強めているため、新型では快適性だけでなく走りの気持ち良さにも重点が置かれた。
リアマルチリンクサスペンションに世界初となるコネクトブッシュが採用された。
サスペンションは横方向の剛性を高めることでコーナリング性能が向上するが、前後方向の剛性はある程度低くした方が路面の突起に対する乗り心地は良くなる性質がある。
新型ティアナは従来から使われているリンクブッシュに加えてコネクトブッシュを採用することで、横方向に硬く前後方向には柔らかい特性を持たせることが可能となった。
2種類のブッシュの組み合わせにより、コーナリング時の応答性が向上しただけでなく、コーナリング中に後輪を内側に向けて4WSと同じ効果を持たせることで安定性が向上。
コネクトブッシュは突起を乗り越える際にタイアを前後方向に動かして衝撃をいなすので、突起を乗り越える際の衝撃を従来モデルに比べて14%改善し、乗り心地も向上させた。
世界初の機構であるにもかからわず、日産ギャラリーにはコネクトブッシュ単体あるいはリアサスペンションユニットの展示はなく、コネクトブッシュの実物を見ることは出来なかった。
狙い通りに曲がり、止まる
FF車の場合、コーナリング中やコーナー立ち上がりでアクセルを踏みすぎると、前輪が外側へ横滑りしていく特性がある。
新型ティアナでは理想の走行ラインよりも膨らんでいると判断した際、自動的に内輪にブレーキを作動させて外側に膨らむのを抑える「アクティブトレースコントロール」が装備されている。
ブレーキも改良され、ペダルを踏む時の筋肉疲労を軽減するためにペダルのストローク量を減らし、足首の稼働領域を減少。
人間工学に基づいた自然なブレーキの操作フィーリングを目指した。