日産自動車 下請法違反を継続

今年3月に発覚した、日産自動車の下請法違反。
テレビ東京の追跡取材で、現在も継続していることが2024年(令和6年)5月10日に「ワールドビジネスサテライト」で放送された。

取材に応じた2社はばれたら切られるというリスクを背負いながらも、自動車業界で長年続いている悪い商慣習を変えるきっかけにしたいとの思いで取材に応じたという。

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日産の違法な減額の仕組み

日産自動車は今年3月7日、中小の取引先36社に対して違法な減額を強要したとして、公正取引委員会から再発防止の勧告を受けた。
その後、テレビ東京が36社以外の複数の下請け企業を取材したところ、減額の強要が続いている実態が明らかになった。

日産とおよそ20年にわたって取引のある、資本金3億円以下の中小企業A社社長はインタビューに対し、公正取引委員会から日産に勧告があった今年3月以降も、日産から減額要請があり、減額されている事実は変わっていないと証言。
その仕組みはこうだ。

下請け企業から日産に提出する見積書のフォーマットは日産が作成しており、その中には部品の減額を何パーセントするという「原低率」という項目が存在する。
原低率は日産によってあらかじめ決められており、日産はその分の金額を下請け企業への支払金額から引いているという。
例えば、下請け企業が部品の正規の価格である1万円と入力した場合でも、日産側がフォーマットに減額率10%の計算式を設定している場合は9000円と表示されるのだという。
A社社長によると、自ら「何%引く」ということは基本的にないので、減額を強要されているのだという。

さらに、「原低率」の項目の横には、「個別原低とは、弊社より依頼したもの」と記載されている。
ここでいう弊社とは下請け企業のことを指す。
つまり下請け企業自らが日産に対して値引きしたと読み取れる記述があらかじめされているのだ。
この文言についてA社社長は

「最初から書いてあるが、下請け企業側が自らの意思で書いたという体になっている。最終的には受け入れざるを得ない。いじめに遭っている人が手を挙げられないのと同じ。」

と述べている。
A社の望まない減額率は数%から数十%にもなるという。

テレビ東京は日産と30年近く取引のある別の部品メーカーB社の営業担当者からも証言を得たという。
公正取引委員会の勧告の翌月である2024年4月に日産からB社に送られてきた、減額を求めるメールにはB社が適正な価格で見積りを出したことに対し、希望価格をオーバーしているとして、日産の目標価格以下に値下げするよう求める内容が書かれているという。

「どんどん価格を下げられていって、見積を2回も3回も出して、日産側が納得する金額まで強要されることが続く。30%、ひどい時には50%減額させられるので全然適正価格ではない。断ったら仕事が来なくなる。」

という。
また、日産側から「この仕事が欲しいなら、この金額以下でもう1回見積もりを出し直しなさい」や、「長い付き合いだからといって、いつまでも仕事をもらえると甘く見るなよ」と言われることもあるのだという。

これらの証言について「ワールドビジネスサテライト」が公正取引委員会に見解を聞いたところ、向井康二官房審議官はA社のケースについて

「フォーマットで一方的に一律で『単価を引き下げなさい』という要請は”買いたたき”に抵触する可能性がある。」

と回答している。
買いたたきとは、通常支払われるべき対価に比べて著しく低い代金を不当に定める行為のことで、人件費上昇などを取引価格に反映させられないため、下請法で禁止されている。

また、B社のケースについても、

「一般論として、自分が思う価格の指し値なら交渉ができているのか疑義が生じるのであまりよろしくない。」

と回答した。

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日産から事実関係への回答なし

日産の内田社長は2024年5月9日の決算会見の質疑応答で「その後、支払い金額の一方的な減額はただちにやめたのか」という質問に「下請け法違反の件に関しては、その運用を廃止していることを前回の会見で話した」と解答していた。

今回の2社の事実関係について5月10日に「ワールドビジネスサテライト」が日産に改めて尋ねたところ、日産から

「対策案につきましては、公正取引委員会の指導をいただきながら取りまとめを行っている。内容の詳細については解答を控えるが遅くとも6月までに公正取引委員会に報告したいと考えている。今後もサプライヤーと密に連携し、『課題やお困りごと』の把握に努め、コミュニケーションを継続強化し適切なサポートを実施していく。」

と文書で回答。
しかし、今回の2社の取引に関する事実関係の言及はなかったという。

3月に発覚した際の記事は下記リンクから。

日産自動車が下請けいじめ 下請け法に違反し部品代金を30億円減額
公正取引委員会は2024年(令和6年)3月7日、日産自動車が下請けの部品メーカーに支払う代金を一方的に減額していたことが下請け法に違反していたとして、再発防止などを求める勧告を出した。

5月14日に自民党と経済同友会が日産を厳しく非難した記事は下記リンクから。

日産の下請法違反に政治・経済界から厳しい非難の声

日産自動車が下請法に違反する取引先への減額強要を、今年3月の公正取引委員会から再発防止の勧告を受けた後も継続していることが、先週2024年(令和6年)5月10日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」で放送された。

それを受けて5月14日、自民党や経済界から日産を非難する声が相次いだ。

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