R32GT-R NISMOの変更点

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R32GT-R 基準車

R32GT-RのグループA仕様のベースとなったエボリューションモデル「GT-R NISMO」には、グループA車両規則で改造が禁止されている部分に対策が施されている。

通常のGT-R(以下基準車)からの変更点は以下の通りとなる(上の写真は基準車、2014年1月7日から3月31日まで日産グローバル本社ギャラリーに展示予定)。

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外装はR32GT-R基準車にも装着可能

冷却性能の向上

ラジエターの冷却効果を高めるため、フロントバンパーのダクト2か所とボンネットフード先端のフードトップモールを追加。
フードトップモールにはフロントグリルへの通風を良くする効果がある。

インタークーラーの冷却能力を向上させるため、保護用のネットを廃止している。

R32 GT-R NISMO

空力性能の向上

もともとR32GT-R基準車にはグループAレースに対応した大型リアスポイラーが装備されており、300km/hで100㎏のダウンフォースが得られるよう設計されているが、GT-R NISMOではその下に小型リアスポイラーを追加。
Cd値(空気抵抗)を変えずにダウンフォースを高めた。

また、サイドシルに装着されているシルプロテクターをリアタイア直前部で下に延長することで揚力を抑えている。

R32 GT-R NISMO

軽量化

基準車は一般ドライバーが運転することを考慮してABSが装備されているが、GT-R NISMOではABSを廃止している。
ABSはおよそ10㎏でエンジンルーム内に装着されており、R32GT-Rのフロントヘビーな前後重量配分を改善するため廃止のメリットは大きい。
レースではプロドライバーが運転するため、性能的なデメリットが少ないことから軽量化が優先された。

レースでは不要となるリアワイパー、エアコン、オーディオも廃止され、合計30㎏の軽量化が行われた。

ターボチャージャーの変更

基準車のターボチャージャーはタービンの材質に軽量なセラミックを使用することで低中速時の速さとレスポンスを重視している。
そのためチューニングした際の最高出力は490psが限界となっている。

GT-R NISMOにはグループA用に600psに対応するターボチャージャーを装備しており、タービン材質はレースでの耐久性を考慮して金属(インコネル材)へ変更され、サイズも拡大して高速型としている。

ただし、基準車との性能差はなく最高出力280ps、最大トルク36.0㎏mのままであった。

上記変更点のうち、外装パーツについてはGT-R NISMOの発売後、基準車にもディーラーオプションとして設定された。
そのため、現存しているR32GT-R基準車の中には、GT-R NISMO用の冷却ダクトや小型リアスポイラーを後付けしたいわゆる「NISMO仕様」と呼ばれる個体も存在する。

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