日産 GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」を展示

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日産グローバル本社ギャラリーでは2017年7月22日から8月31日まで夏休みファミリーイベントが開催されており、GT-Rのパワートレイン「プレミアム・ミッドシップパッケージ」が展示されている。

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日産GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」

日産GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」

GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」は、4輪のグリップ力を最大化するために、クルマの重量をタイアのグリップ力に活かすという発想から設計された。

日産GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」

まずリアタイアに必要なグリップ力を決めることからGT-Rの開発は始まった。
そのため、リアタイアに大きな荷重が加わるようにトランスミッションを後方に配置するトランスアクスル方式が採用された。
トランスミッションはデフ、クラッチ、4WDシステムも含めて1つのトランスアクスルユニットとなっている。
このトランスミッションを平らな形状とし、重心位置を後車軸より低く設定。
この重量とクルマの慣性力が、リアタイアのグリップ力を生み出す。
GR6型トランスミッションは愛知機械製で、デュアルクラッチはボルグワーナー製。

日産GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」
日産GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」

リアサスペンションは基本構成こそマルチリンクだが、トランスアクスルの採用に伴いGT-Rのために新設計された。
他車種との最大の変更点はサブフレームの形状で、日産の正式名称は「6点マウント式立体型パイプフレーム一体式リヤメンバ」。
メインパイプを上下2段に配置し、前後のクロスメンバーで左右を強固に橋渡しすることで、入力を分散して立体的に受け持つ構造とした。
これにより、サスペンション全体の剛性を向上させている。

日産GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」

そして、限界域でもニュートラルステアを保ち、ブレーキング時にもフラットな車両姿勢を保つために必要なフロントタイアのグリップ力と荷重を割り出し、そのための前後重量バランスと重心位置を決定。

最後にエンジンの仕様と搭載位置を決定した。
重心位置を前車軸より後方に置くフロントミッドシップのため、前後に短いV型6気筒エンジン+ツインターボを選択。
このエンジンの重量がフロントタイアのグリップ力の源になる。

フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン。
青いダンパーは、ドイツ・ビルシュタイン製の「ダンプトロニック」というモード設定型の電子制御式ダンパーとなっている。
46㎜径のモノチューブダンパーを基本にして、内部にオイル量を調整するバルブを装備。
バルブの開き具合を電流で制御してオイル流量を制御し、減衰力を制御する。
1輪当り最大5トンの入力があるニュルブルクリンクのタイムアタックと、市街地の快適性を両立するためのダンパーである。

日産GT-Rの「プレミアム・ミッドシップパッケージ」

さらに、エンジンとトランスミッションの振動をお互いに伝えないよう、通常のトランスアクスルで使われるトルクチューブではなく、ジョイント付きのカーボン製プロペラシャフトで動力を伝える独立型の設計を採用。
これが世界初のパワートレイン配置「独立型トランスアクスル4WD」を採用したプレミアム・ミッドシップパッケージである。

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