日産バイオレットのサファリラリー優勝車を展示

横浜市の日産グローバル本社ギャラリーでは、2018年8月21日から11月27日までの予定で、特別展示イベント「世界に挑め。日産グローバルモータースポーツ60年~ 60 years of NISSAN International Motorsport~」を開催している。

日産が海外でのモータースポーツ活動を始めてから60年となるのを記念して、ヘリテージカーの中から代表的な競技車両14台が2台ずつ7回に分けて展示される。
今回は9月18日から10月1日まで展示されている、2代目バイオレットのサファリラリー優勝車を紹介する。

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バイオレットGT 1982年 第30回サファリラリー 総合優勝車(1982年・PA10型)

日産バイオレット サファリラリー優勝車

1977年(昭和52年)5月に発売された2代目バイオレット(A10型)には4ドアセダン・3ドアハッチバック・5ドアハッチバック・ライトバンが用意された。
初代バイオレット(710型)で複雑な曲面を使ったスタイリングが不評だったことから、510型ブルーバードをイメージした箱型デザインに回帰した。

バイオレット サファリラリー優勝車

2代目バイオレットはWRC(世界ラリー選手権)に参戦し、1979年~1982年の4年連続でサファリラリー総合優勝を果たす。
4回ともドライバーはシェカー・メッタ氏(1945年-2006年)で、WRC史上初の同一ドライバーで同一イベント4連覇となった。
コ・ドライバー(ナビゲーター)も4年連続でマイク・ドウティ氏であった。

日産バイオレット サファリラリー優勝車
バイオレット サファリラリー優勝車

1982年(昭和57年)の第30回サファリラリーで、日産は2代目バイオレットの後継マシンとして3代目シルビア(S110型)ベースのラリーマシン「240RS」を開発したが、出来立てのマシンゆえに信頼性に問題があったため、4連覇がかかっていたシェカー・メッタ氏は生産が終了していた2代目バイオレットの前年度のマシンを使用した。
しかし、これを良く思わなかった日産はワークスチームとしてのバックアップを拒否したため、メッタ氏は1982年はプライベーターとして参戦。
そのため、マシンのカラーリングは前年度までの白・赤・青のトリコロールカラーとは異なる、白と赤のカラーリングとなっている。
メッタ氏の2代目バイオレットは総合優勝して4連覇を達成した一方、240RSはトラブルのため最高位3位という結果となった。
これ以降メッタ氏と日産のワークス契約が結ばれることはなかった。

展示車は4連覇を達成した実車で、2009年(平成21年)から2010年(平成22年)にかけて「日産名車再生クラブ」によりフルレストアされた。
レストア中、この車両の車体番号が前年度2位の車両と同一であることが判明したという。

日産バイオレット サファリラリー優勝車

バイオレットGT 1982年 第30回サファリラリー 総合優勝車 主要諸元

ヘリテージコレクションNo.082
全長:4,080㎜
全幅:1,600㎜
全高:1,390㎜
ホイールベース:2,400㎜
トレッド(前/後):1,335mm/1,330mm
車両重量:1,080㎏
サスペンション(前/後):ストラット/5リンク
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイア(前/後):185-70SR14/195-70SR14(ダンロップSP52R)

バイオレットGT 1982年 第30回サファリラリー 総合優勝車 エンジン主要諸元

エンジン型式:LZ20B型(直列4気筒・DOHC4バルブ)
総排気量:1,975㏄
最高出力:169kW(230ps)/7,200rpm
最大トルク:245N・m(25.0kgm)/5,200rpm

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