日産グローバル本社ギャラリーでは、2015年3月28日から4月30日まで、こども自動車「ダットサン ベビィ」を展示している。
併せて、こどもの国開園50周年の写真展も開催されている。
こども自動車「ダットサン ベビィ」(1965年 AF8N型)
こどもの国のために日産自動車が設計・開発し、100台を寄贈したのがこども自動車「ダットサン ベビィ」。
こどもの国は、1965年5月に横浜市にオープンしたこどものための施設で、日産自動車はこどもの国の社会的使命に賛同してダットサン・ベビィを100台寄贈した。
クルマが普及し交通事故が急増した1960年代、100台のダットサン ベビィには「子供たちを事故から守り、正しい知識を持った運転者を育てる」という使命があった。
車名は製造元呼称がダットサン・ベビィで、こどもの国の中ではダットサン・ベビーと表記されていた。
こどもの国のグランドコンセプトの中で「子供たちに本物の自動車交通教育を提供する」という役割を担っており、愛知機械工業が市販していた200㏄のトラック「コニー グッピー」をベースに本格的な構造を持つ車両として設計された。
スタイリングは、スポーツカーの要素を取り入れた2ドアクーペとなっている。
灯火類は当時の現実の交通法規に適合していた。
メカニズム面では、フロントにダブルウィッシュボーン方式を採用した4輪独立サスペンションや、国産初のトルクコンバーターを実用化した岡村製作所製のトルクコンバーター付きトランスミッション、スプリング式のステアリングセルフリターン機構を装備していた。
ダットサン ベビィ主要諸元
全長:2,960㎜
全幅:1,420㎜
全高:1,245㎜
ホイールベース:1,670㎜
車両重量:430㎏
タイアサイズ:4.00-8-4PR
最高速度:速度制限装置付・30km/h
最小回転半径:4.1m
エンジン主要諸元
エンジン型式:AE82N(愛知機械工業製・強制空冷単気筒2サイクル)
排気量:199cc
最高出力:7.5ps/5,000rpm
最大トルク:1.3kg-m/3,200rpm
こどもの国開園50周年記念写真展も行われている。
こども自動車が人気を集めたのは、遊園地によくあるバッテリーカーではなく、本物のクルマを導入したこと。
こども自動車は8年間で20数万人の利用者を数える人気のアトラクションとなった。