日産自動車が下請法に違反する取引先への減額強要を、今年3月に公正取引委員会から再発防止の勧告を受けた後も継続していることが、先週2024年(令和6年)5月10日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」で放送された。
それを受けて5月14日、自民党や経済界から日産を非難する声が相次いだ。
日産の下請法違反で経営陣を厳しく非難
自民党 中小企業政策調査会の伊藤達也会長は2024年(令和6年)5月14日、中小企業の賃上げを議論する会合で、
「経営トップの責任が問われる、きわめて悪質な下請けいじめだと言わざるを得ない。政府・与党が取り組んできたことを否定する行為だと受け止めざるを得ない。」
と日産を非難。
来月決定する骨太の方針に向け、下請法の改正を提言する考えを発表した。
また、経済団体トップも日産を厳しく非難。
経済同友会の新浪剛史代表幹事は
「日産の経営陣として大変問題がある。下請けで減額強要されてきた方々が、意欲を持っていい商品を作りますか?と。作らないですよね。自動車の質が悪くなりますよね。買いますか?買いませんよね。経営責任ですよね。経営責任をどう取るのか。」
と述べた。
テレビ東京が5月14日、日産に改めて見解を尋ねたところ、
「再発防止策の策定に取り組んでいる中、サプライヤーとの取引に問題があるとする報道がなされたことは誠に遺憾。
現在、報道された内容については事実関係を確認している。関係者をはじめとするステークホルダーの皆さまに心配と迷惑をおかけしていることをおわび申し上げる。」
という内容のコメントがあったという。
「報道がなされたことは誠に遺憾」とコメントしていることから、日産は下請法違反を行ったことに対してではなくそれを報道されたことを遺憾だと捉えており、下請法違反については反省していないというスタンスが伺える。
2024年3月に公正取引委員会から勧告を受けた際の記事は下記リンクから。
5月10日に下請法違反が継続していることが報じられた際の記事は下記リンクから。
今年3月に発覚した、日産自動車の下請け法違反。
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」の追跡取材で、現在も継続していることが2024年(令和6年)5月10日に放送された。
取材に応じた2社はばれたら切られるというリスクを背負いながらも、自動車業界で長年続いている悪い商慣習を変えるきっかけにしたいとの思いで取材に応じたという。