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日産 スカイラインGTS-Rのレース仕様車を展示

横浜市の日産グローバル本社ギャラリーでは、2018年5月12日から8月20日までの予定で、ヘリテージカーを特別展示するイベント「よみがえる日産の名車たち」を開催している。

歴史的車両の再生をテーマにした展示で、座間記念庫の「日産ヘリテージコレクション」の中から、過去2年以内にレストアされた延べ14台が展示される。
今回は7月20日から7月31日まで展示されている、スカイラインGTS-Rのレース仕様車を紹介する。

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スカイラインGTS-R 1988年欧州ツーリングカー選手権出場車(1988年・HR31型)

スカイラインGTS-R グループA仕様車

1985年(昭和60年)に発売された7代目スカイライン(R31型)は、4ドアセダンと4ドアハードトップでスタートし、翌1986年(昭和61年)には2ドアクーペが追加された。
1987年(昭和62年)のマイナーチェンジでは、グループAレースのベース車「GTS-R」が800台限定で発売された。
GTS-Rには、専用ターボチャージャーやステンレス製エキゾーストマニホールドを採用したRB20DET-R型エンジンを搭載。
最高出力は210psで、通常のRB20DETから20ps向上していた。

展示車はニスモがイギリスに設立したNMEによって制作されたグループA車両で、1988年(昭和63年)欧州ツーリングカー選手権(ETC)に参戦。
ドライバーはアラン・グレイス/ウィン・パーシー組で、スパ・フランコルシャン24時間レースではアンデルス・オロフソンを加えた3名でドライブし、シーズン最高位となる総合6位に入賞した。

ワークスのスカイラインとして初めてグローバルにモータースポーツ活動を行った車両であることから、日産と関連会社の社員で結成された「日産名車再生クラブ」によって2017年にレストアが行われた。
スパ・フランコルシャン24時間レースでシーズン最高位となる総合6位に入賞していることから、当時の資料を元にして同じ仕様が再現された。

ボディは接触の跡や錆びを修復して再塗装し、ステッカーを新規作成して装着している。
GTS-Rは後期型に設定されたグレードだが、レースに参戦した当時はヘッドランプとテールランプが前期型用となっていた。
後に後期型用に交換されて保存されていたが、今回のレストアで参戦当時と同じ前期型用に戻された。

ゴールドのBBS製メッシュホイールはドイツのBBS本社に再生産を依頼。

カーナンバーを照らすゼッケン灯は欠品していたが、当時と同じ物が現在も入手可能だったため新品が装着された。

参戦当時のトランスミッションは「77」と呼ばれていたシーケンシャルタイプだったが、同じ日産座間記念庫に保存されているリーボックスカイライン(1989年JTCシリーズチャンピオン)のレストアの際に移植されたため、現在は市販車と同じHパターンの「71C」に変更されていた。
当時と同じ77が入手できなかったため、搭載されていた71Cをオーバーホールして再使用している。

エンジンは今後の整備性を考慮して、R32型スカイライン用のRB20DETに換装された。
エンジン制御用コンピュータは参戦当時はザイテック製だったが、エンジン換装に合わせて市販車用ECUをレース用に改良して使用。

スカイラインGTS-R 1988年欧州ツーリングカー選手権出場車 主要諸元

ヘリテージコレクションNo.255
全長:4,660㎜
全幅:1,690㎜
全高:1,325㎜
ホイールベース:2,615㎜
トレッド(前/後):1,460mm/1,465mm
車両重量:1,180㎏
サスペンション(前/後):ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ(前/後):13インチベンチレーテッドディスク/12インチベンチレーテッドディスク
タイア:240-625-17/240-655-17

スカイラインGTS-R 1988年欧州ツーリングカー選手権出場車 エンジン主要諸元

エンジン型式:RB20DET-R(直列6気筒・DOHCターボ)
総排気量:2,029㏄
最高出力:294kW(400ps)/7,200rpm
最大トルク:412N・m(42.0kgm)/6,000rpm

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