2013年1月11日~13日に幕張メッセで開催された「東京オートサロン2013」。
日産ブースの展示車から、アマチュアレース用のフェアレディZを紹介する。
ブレーキだけで111万円のフェアレディZ 東京オートサロン2013
フェアレディZ ニスモ Z-チャレンジスペック(参考出品車)
コンセプト
フェアレディZ(Z33、Z34)のオーナーがサーキットを楽しむためのクラブマンレース「Z-Challenge」参戦仕様で、 安全装備を含めサーキットをより楽しく走るために必要なパーツを装着した車両。
フェアレディZ ニスモ Z-チャレンジスペック 車両スペック
- 出展車両名:FAIRLADY Z NISMO Z-Challenge Spec
- ベース車名:ニッサン フェアレディZ
- ベース車名型式:ニッサンCBA-Z34
- ベースグレード:Version NISMO
- ボディカラー:ブリリアントホワイトパール(3P)<#QAB・スクラッチシールド>特別塗装色
- 公道走行可
エンジン
- 型式:VQ37VHR
- 排気量:3,696cc
- 最高出力:261(355)kW(PS)/7,400rpm
- 最大トルク:374(38.1)N・m(kgf・m)/5,200rpm
外装
- NISMOカーボン製ドアミラーカバー
- NISMOマルチファンクションブルーミラー(親水ミラー)
- NISMOアルミダイキャスト製フューエルフィラーキャップカバー
- NISMOカーボン製カーボンピラーガーニッシュ
- NISMOカーボン製ナンバープレートリム
- 牽引フック(フロント&リア 大森ファクトリーオリジナル仕様)
内装
- NISMO GTシフトノブ ウレタン
- NISMOキッキングプレート
- NISMOフロアマット
- NISMOカーボン製ルームミラーカバー
- NISMOレーシングハーネス
- NARDI CLASSIC φ360ブラックスエード&ブラックスポーク
- WORKSBELLEステアリングボス
- 6点式ロールケージ
- RECARO RS-GSKシート
エンジン
- NISMOスポーツリセッティングECM
- NISMOクーリングメニューエンジンオイルクーラー
- NISMOクーリングメニューラジエター
Z34 Version NISMO用のスポーツリセッティングECM(115,500円)は、サーキットでの速度差による危険を回避するという目的で、スピードリミッターの作動速度のみ変更(180km/h→250km/h)されている。
パワートレイン
- NISMO SUPER COPPERMIX TWIN(クラッチディスク/クラッチカバー/フライホイール)
- NISMO GT L.S.D Pro Carbon
- 空冷式リアデフオイルクーラー
NISMO GT L.S.D Pro Carbon(194,250円)は、サーキットでのグリップ走行を目的に開発されており、内部のディスクにカーボンファイバークロス素材を採用することでスムーズな効きを実現している。
足回り
- OHLINS車高調整式 大森ファクトリーオリジナル仕様(ダンパー/スプリング)
- フロントホイール NISMO VR.G2 OMORI FACTORY SPEC 19×9.5J 42
- リアホイール NISMO VR.G2 OMORI FACTORY SPEC 19×10.5J 35
- フロントタイア ADVAN NEOVA AD08 245/40R19
- リアタイア ADVAN NEOVA AD08 275/35R19
- NISMO ロングハブボルト
- NISMO クーリングメニュー パワステオイルクーラー
ホイールは2012年3月~4月に期間限定販売された「VR.G2 OMORI FACTORY SPEC」で、専用ブラックカラーとなっている。価格はフロントが1本81,900円、リアが1本84,000円だった。
ブレーキ
- NISSAN GT-R純正Brembo((フロント・リアブレーキキャリパー/フロント・リアブレーキローター/フロント・リアブレーキパッド)
ニスモでは、サーキット走行を行うオーナーにはR35GT-R用の純正ブレンボブレーキを推奨しているが、価格は他の部分の施工内容により変わるため応談となっている。
そこでR35GT-Rの純正ブレーキの部品価格を調べてみると、
- フロントキャリパー:左右各176,000円
- リアキャリパー:左右各120,000円
- フロントローター:左右各110,000円
- リアローター:左右各85,000円
- フロントパッド:左右セット71,500円
- リアパッド:左右セット57,500円
(いずれも2013年1月現在)
となっており、1台分の金額は1,110,000円になることが分かった。
油脂類
- エンジンオイル NISMO COMPETITION OIL type2108E(0W30)
- T/Mオイル NISMO COMPETITION OIL type2189E(75W140)
- デフオイル NISMO COMPETITION OIL type2189E(75W140)
- ブレーキフルード MOTUL RF660
ゴン太の余計なひとこと
Z34バージョンニスモをベースとして、ニスモ大森ファクトリーのデモカー「Clubman Race Spec」 に装着されたバーツをキット化した、「Z-Challenge フルキット」を装着した車両で、「Z-Challenge」の最上位クラスである「RS-S」クラスに参戦可能な仕様となっている。
フルキットを装着するこの展示車は冷却系だけでも「NISMO クーリングメニュー」(エンジンオイルクーラー・リアデフオイルクーラー・ パワーステアリングオイルクーラー・ラジエターのセット)504,000円、ブレーキに至ってはR35GT-R用の1,110,000円のパーツが装着されており、 アマチュアも参加できるとはいってもレースで勝てるクルマを作ろうとすると高額なチューニングが必要となってしまうことがわかる。
低予算で楽しみたい人向けには「Z-Challenge」に参戦するための必要最低限のパーツだけをキットにした「Z-Challengeセーフティキット」 も発売されており、Z34用は250,000円となっている。
キット内容は下記5点で、サーキット走行に必要な安全装備がセットとなっている。
- NISMOレーシングハーネス(4点式)
- レーシングハーネスアンカー
- 消火器
- 前・後牽引フック
- オイルキャッチタンク
ニスモは楽しみ方や予算に応じたメニューを用意して、少しでもフェアレディZというスポーツカーを楽しむための環境を整えようと努力していることが分かった。