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「安くて速い」GT-R GT3 東京オートサロン2013

日産GT-R ニスモ GT3

2013年1月11日~13日に幕張メッセで開催された「東京オートサロン2013」。
日産ブースの展示車から、GT-R ニスモ GT3を紹介する。

「安くて速い」GT-R GT3 東京オートサロン2013

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GT-R ニスモ GT3

GT3とは?

GT3とは、世界のモータースポーツを統括するFIA(国際自動車連盟)の車両カテゴリー「グループGT3」のこと。
現在FIAが定めるGTカー(市販スポーツカーを改造した車両)の最上位カテゴリーとなっており、日本では「FIA GT3」と呼ばれている。

GT3はコスト削減に配慮しており、通常のレースカーがオーダーメイドに近い形で製作されるのに対して、GT3は自動車メーカーおよびメーカー公認のチューナーが開発してFIAの公認を受けたものを、自社製品としてチームに対して製作・販売する形となっている。

そして、FIAがBOP(バランス・オブ・パフォーマンス)と呼ばれる性能調整を行い、 車両間の性能を均一になるよう調整することで、メーカー間の開発競争が過熱することを防ぎ、その結果車両価格を抑えることを可能としている。
また、購入したチーム側による改造を禁止しているため、チームのランニングコストも抑えることができる。

そのため、参戦コストを下げて参加台数を増やしたいレース主催者が続々とGT3を導入しており、 日本ではスーパーGTのGT300クラスとスーパー耐久シリーズのST-GT3クラスに参戦可能。

海外のレースでもGT3ヨーロッパ選手権やニュルブルクリンク24時間レースなど、数多くのレースで参加できる。
また、GT3よりも上位のカテゴリーであるFIA GT1世界選手権でも、現在ではコスト削減のために GT1規則の車両に代わってGT3規則の車両が使われている。

コンセプト

FIA GT3規則に準拠したレース専用車両として2012年3月にデビューした日産GT-R ニスモ GT3の2012年モデルにスーパーGT、スーパー耐久、イギリスGT選手権などの実戦経験をフィードバックして、 エンジン出力および耐久性、空力性能などの向上を施した2013年モデル。

NISSAN GT-R NISMO GT3 主要スペック

  • 出展車両名:NISSAN GT-R NISMO GT3
  • ベース車両名:日産 GT-R
  • ベース車名型式:ニッサン DBA-R35
  • 公道走行不可
  • メーカー希望小売価格(消費税込):36,750,000円

サイズ・重量

  • 全長:4,780mm
  • 全幅:2,036mm
  • ホイールベース:2,780mm
  • トレッド(前):1,675mm
  • トレッド(後):1,680mm
  • 車両重量:1,300kg※FIAが決定する性能調整による変動あり

フロントのカナード装着と、フロントフェンダーのルーバー大型化によりダウンフォースを増加させている。

2013年モデルではカナードが追加された。

大型化されたフロントフェンダーのルーバー。

また、フロントのダウンフォースが増加したため、前後の空力バランスを取るためにリアウイングの取り付け位置も変更された。

エンジン

  • 型式:VR38DETT
  • 排気量:3,799cc
  • 最高出力:405kw以上/6,500rpm(550ps以上/6,500rpm)
    ※FIAが決定する性能調整による変動あり
  • 最大トルク:637N・m以上/5,000rpm(65.0kgf-m以上/5,000rpm)
    ※FIAが決定する性能調整による変動あり

エンジン本体は市販車と同じエンジンが使用されており、組み立ても市販車のエンジンと同じく日産横浜工場で行われている。
レースでは常識とされる重量合わせやバルブすり合わせなどの加工も一切行っていない。

本体内部の部品は2012年モデルではすべて市販車と同一であったが、2013年モデルでは出力と燃費を向上させるためのカムの変更と、耐久性向上のためのコンロッドの強化が行われている。

特筆すべきは、コンロッドの軽量化をしていないということ。

通常、コンロッドを耐久性向上のために強化する場合は、同時にレスポンス向上のための軽量化をすることが多い。
しかし、コンロッドの軽量化を行うとバランスを取るためにピストンやクランクシャフトまで変更が必要となり、開発コストが増加してしまう。
そのため軽量化は行わず、純正品と同じ重量で強化品を製作したという。

ターボチャージャーは市販車の「GT-R Spec.V」用純正品が使用されている。

駆動系・足回り

  • クラッチ:5.5”メタル4プレート
  • トランスミッション型式:6速シーケンシャル
  • ブレーキ(前):6ピストンキャリパー/ベンチレーテッドスチールディスク
  • ブレーキ(後):4ピストンキャリパー/ベンチレーテッドスチールディスク
  • サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン式独立懸架
  • サスペンション(後):マルチリンク式独立懸架
  • 駆動方式:2WD(FR)
  • ホイール(前) :13.0J×18
  • ホイール(後):13.0J×18
  • タイア(前):330/710-18
  • タイア(後):330/710-18

トランスミッションは市販車の6速デュアルクラッチからレース用の6速シーケンシャルへ、駆動方式はGT3規則により4輪駆動から2輪駆動へと変更されている。

ゴン太の余計なひとこと

価格が3,675万円と聞くと高価だと感じられるかもしれないが、GT1規則のGT-Rが6,500万円だったと言われていることを考えると、レースカーとしては破格の安さであることが分かる。

ニスモによると申し込み多数の場合は選考を行って購入者を決めるそうだが、たとえレースに出なくても手元に置いて、休日にサーキットを走らせてみたいものである。

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