くまモンとコ・クリエイション 小山薫堂×中村史郎トークライブ その9

放送作家の小山薫堂氏と日産自動車チーフクリエイティブオフィサーの中村史郎氏による「DESIGN TALK LIVE」が2013年11月28日に第43回東京モーターショーの日産ブースで開催された。

第9回はコンセプトカー「IDx」で用いられたコ・クリエイションという概念について。

第43回東京モーターショー 小山薫堂×中村史郎トークライブ

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くまモンはくまモン

(その8の続き)
中村:特に小山さんとお話したかったのは、コ・クリエイションに関係してちょい足し?お客さんがちょっと足して楽しむ。

小山:例えば、くまモンの場合何が良かったかっていうと、ゆるさがよかったと思うんですよ。

完璧なくまモンのキャラクターをブランディングして「これ以外はダメです」というのではなく、「皆さんくまモンで自由に遊んでください」って言ったら「じゃあうちはこんな商品を出そう」っていろんな人が自分のビジネスにくっつけてくれた。

ですから、これなんかたとえばアップルがiPadを出すと、関連商品とかiPadを使った商品とか、あるいは時計にするバンドが出たりするじゃないですか。
まさかiPadを時計に使うっていうのはアップルは考えてなかったけど他のところは考えてたとか。
そういう素材として提供して、全部日産でやるのではなく、これ(IDx)をベースに他の業界の方がこれで遊ぶというような。

中村:そういう風になるといいなと思ってて、くまモンもそうなんですけど元々キャラクターがしっかりしてるからどういう風にいじられてもくまモンはくまモンでいられる。
クルマも同じで、このクルマのキャラクターがしっかりしていれば、これ以外に作られても良さが出るしキャラがはっきりしてくる。
キャラがはっきりしているから他の方にやっていただいても楽しいんだろうなあと。
くまモンはどういう風にいじられてもくまモンでいますからね。

小山:これも1回見たら忘れない、個性的な形をしていますしねえ。

中村:そうあって欲しいと思ってるんですけど、こういった新しいクルマのあり方から今までのクルマらしいクルマのあり方、GT-Rみたいなものもあるし、あそこにある今までまったく想像もできなかった電気自動車(チョイモビ)もあるし、皆さんと楽しく作り上げていくクルマもあるし、こういったことを我々日産自動車は幅広く皆さんに提供できればいいなあと思っています。

小山:中村さんがデザインを担当されるようになって、日産のクルマってかっこよくなったじゃないですか。
デザインがどれも完成されたものになったようになったと思うんですけど、なぜこんなに急激に変わるんですか?
組織の仕組みを変えられたんですか?そういうわけではないんですか?

中村:まあ、そういう細かいこともいろいろありますけど、ストレートにみんながやりたいものが形になることが大事だと思うんですけどね。
これなんかもそうですけど、どのクルマも作ってる人たちが楽しく考えてそれがなるべくそのままモノにつながる、そういう風通しの良いモノづくりができるときっと皆さんに気持ちが伝わるんですね。

小山:とりあえず今回はこちらに3台ありますが、ここにのぼるまでの候補ってすごくたくさんあるんですか?

中村:もちろんあります。何十台と作ってますし、ここに並んでるクルマは日産のデザインの、アメリカとヨーロッパと中国と日本にもありますけど、何十人もアイデアを持ち寄ってその中から採用というふうになってます。
大勢の、日産の中のクリエイターの想いも込められてますし、日産以外にいろんな意見をいただいた人のクリエイションのアイデアも入っています。

(その10へ続く)

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