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日産 90年代のクロスオーバーSUV「ラシーン」を日産グローバル本社ギャラリーに展示

横浜市の日産グローバル本社ギャラリーでは、1990年代のクロスオーバーSUV「ラシーン」が2023年(令和5年)3月4日から4月20日まで展示されている。

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ラシーン TYPEⅡ(1995年・RFNB14型)

ラシーン タイプⅡ(1995年・RFNB14型)のフロントビュー

「ラシーン」は「Be-1」「パオ」「フィガロ」に続く日産のパイクカー第4弾として企画され、1993年(平成5年)10月の第30回東京モーターショーに出品後、1994年(平成6年)12月に発売された。
ラシーンの開発は「自然との融合、原点への立ち返り」という基本コンセプトで1990年(平成2年)に始められた。
ターゲットユーザーは「30代前後の知性に富み、自然を愛する女性」。
以前の3車のような遊びの車ではなく、ターゲットユーザーにとって日常生活の足として扱いやすい車を目指して作られた。

デザインは日産社内と外部コンセプトメーカーが出したデザインコンセプトの中から、日産社内による「小さな高級車」をイメージした4ドアセダンと、外部コンセプトメーカーによるコンパクトSUVの2案に絞られ、当時はRV(レクリエーショナル・ビークルの略。現在のSUV)がブームであったことから後者が市販化されることになった。

Aピラー、Bピラー、Cピラーをいずれも立てたことにより、キャビンの縦横比が従来の車と異なる新しいプロポーションとなった。
また、取り回しを良くするためにリアオーバーハングを短くし、同時にラゲッジルームも確保するためにスペアタイヤを外側後部に設置した。

RASHEEN(ラシーン)という車名は羅針盤からの造語で、もともとは「これからの時代を指し示す」車であって欲しいという願いを込めて名付けられたが、発売時には「未知なる旅の水先案内役」をイメージしたと説明された。
発売時の広告キャッチコピーは「僕たちの、どこでもドア。」だった。
広告には「ドラえもん」が起用され、2次元のアニメではなく3次元のCGアニメとすることで実写された背景や車と馴染み、夢と現実をつなぐ役割を持たせていた。

当時はまだSUVが「RV(レクリエーショナル・ビークルの略)」と呼ばれていた時代。
ラシーン発売の7カ月前である1994年(平成6年)5月にはトヨタからコンパクトSUV「RAV4(ラヴフォー)」が発売されており、高い最低地上高と本格的な4WDシステムを備えて人気を博していた。
それに対してラシーンはRV的なデザインで駆動方式も4輪駆動ではあるが、日常生活で扱いやすい車を目指していたため、あえて本格的なオフロードのための悪路走破性は持たせず、気軽にアウトドアを楽しむための最小限の走破性としている。
今でいう「クロスオーバーSUV」の先駆け的な車であった。

発売時のエンジン排気量は1.5リッターのみだったが、1997年(平成9年)のマイナーチェンジで1.8リッターを追加、1998年(平成10年)には2リッターエンジン搭載の「ラシーン フォルザ」が追加され、2000年(平成12年)8月の生産終了までに72,793台が生産された。
展示車の1.5リッターTYPEⅡ 5MT車の発売当時の全国希望小売価格は1,913,000円。

「Be-1」「パオ」「フィガロ」の記事は下記リンクから。

https://nissangallery.jp/ginza/be-1tanjyou/

https://nissangallery.jp/ghq/pao_201412/

https://nissangallery.jp/ghq/figaro_201705/

ラシーン TYPEⅡ主要諸元

ヘリテージコレクションNo.403
全長:4,115㎜
全幅:1,695㎜
全高:1,515㎜
ホイールベース:2,430㎜
トレッド(前/後):1,440㎜/1,415㎜
車両重量:1,190㎏
サスペンション(前/後):ストラット/パラレルリンクストラット
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤ:185/65R14 86H

ラシーン TYPEⅡエンジン主要諸元

エンジン型式:GA15DE型(直列4気筒・4バルブDOHC)
総排気量:1,497㏄
最高出力:77kW(105ps)/6,000rpm
最大トルク:135N・m(13.8kgf・m)/4,000rpm

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