現在とは目的の違うGT-R NISMO

GT-R NISMO "NISMO N Attack Package"装着車

2013年の東京モーターショーや2014年の東京オートサロンで展示されて話題となった「GT-R NISMO」はドイツ・ニュルブルクリンクサーキットでの量産車世界最速を目指して開発された。
(上の写真はGT-R NISMO “NISMO N Attack Package”装着車)

実はGT-Rに「NISMO」というグレードが設定されたのは今回が初めてではない。
「R32GT-R」と呼ばれているスカイラインGT-R(R32型)にも「GT-R NISMO」が存在した。
しかし、その目的は現行のGT-R NISMOとは異なるものであった。

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グループAのベース車両

日産グローバル本社ギャラリーに展示されている、R32GT-R グループA仕様
(2014年1月7日から3月31日まで展示予定)

R32GT-R グループA仕様

1989年(平成元年)8月に発売されたスカイラインGT-R(R32型)はグループA規定のレースで勝つことを目的として開発されたが、厳密に言うと市販車がそのままグループA仕様のベースになっていたわけではない。

通常の市販モデルのR32GT-R(以下基準車と呼ぶ)には量産車として一般公道での使用を考慮した結果、グループA仕様としては性能が不足する部分が生じた。
そのため基準車とは別にグループA仕様への改造を前提としたエボリューションモデル「GT-R NISMO」を開発して560台を生産、そのうち500台が1990年(平成2年)2月に限定販売され、残りがレースや実験に使用された。

グループAの車両規則では、ボディ外観の形状を変更することが禁止されていた。
そのため、レースでの戦闘力を高めるためには、改造が禁止されている部分の性能をあらかじめ高めておくことが重要となる。

R32GT-Rはエンジンの最高出力が280psだが、グループA仕様ではおよそ600ps、最高速度は300km/h近くに達するためエンジンの冷却性能やダウンフォースを向上させる必要があった。

また、軽量化のための改造も禁止されていたため、ベースとなる車両をあらかじめ軽量化しておく必要もあった。
そのため、R32型のGT-R NISMOでは冷却性能向上・空力性能向上・軽量化・ターボチャージャーの変更が行われた。
その内容については当サイト内「R32GT-R NISMOの変更点」に掲載している。

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