日産 スカイラインGT-R V・specⅡを展示

横浜市の日産グローバル本社ギャラリーでは、「スカイラインGT-R V・specⅡ」が2018年12月17日から2019年1月18日まで展示されている(1月8日と15日は休館日、1月9日と11日は展示なし)。

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スカイラインGT-R V・specⅡ(2000年・BNR34型)

10代目スカイライン(R34型)のGT-Rは1999年(平成11年)1月に発売され、2000年(平成12年)8月にマイナーチェンジが行われた。
今回の展示車はマイナーチェンジ後の「GT-R V・specⅡ」で、発売当時の価格は5,748,000円だった。

スカイラインGT-R V・specⅡ(BNR34型)

「GT-R V・specⅡ」に採用されたカーボン製エンジンフードは、東レに委託して原糸の製造から成形まで一貫生産体制が採られていた。
成形は炭素繊維を封入した型に樹脂を注入するRTM(レジン・トランスファー・モールド)工法を量産車で世界初採用し、表面だけでなく裏面も美しい仕上がりを実現した。
エンジンフードのカーボン化によって、従来のアルミ製に対して4㎏の軽量化が図られ、重心位置の低下による軽快な回頭性を実現した。

カーボン製エンジンフードの採用によって、ターボチャージャー冷却用のNACAダクトを一体成形することが可能となった。
NACAダクトは米国航空宇宙局(現在のNASA)が考案したもので、空気抵抗の少ないエアダクトの形状として自動車にも採用されている。
「GT-R V・SpecⅡ」ではNACAダクトをターボチャージャー上部に配置することで、ターボチャージャー周辺温度を4~5度下げることができた。

スカイラインGT-R V・specⅡ(BNR34型)

「GT-R V・SpecⅡ」「GT-R M・Spec」にはアドバンスドエアロシステムが装備されていた。
これは樹脂製フロントディフューザーとカーボン製リヤディフューザーで構成されており、床下の凹凸が最も大きいエンジンルーム部分とリヤデフ周辺をカバーして、床下をフラットな形状にすることで空気の流れを圧縮・整流し、後端の跳ね上がった形状で拡散(ディヒューズ)させることでダウンフォースを生み出す。

スカイラインGT-R V・specⅡ(BNR34型)

ディフューザーで得られたダウンフォースはフロントとリヤの両方に発生するため前後の空力バランスが良く、80km/hでのコーナリングやブレーキングでも安定感が増すという。
排気管の高熱にさらされるリヤディフューザーはオートクレーブ工法によるアルミハニカム・カーボンコンポジットで、R34GT-Rはこれを量産車として世界初採用。
後期型ではカーボンクロスを3Kから12Kへと太くすることで強度を高めた。
このリヤディフューザーにはリヤデフを冷却するためのNACAダクトが設けられている。

オートクレーブ工法のリヤディフューザーと、RTM工法のエンジンフードというカーボンファイバーの最新技術を組み合わせたことで、R34GT-Rの「V・Spec」は、「V・SpecⅡ」へと進化したのである。

スカイラインGT-R V・specⅡ(BNR34型)

R34GT-Rのリヤスポイラーは国産量産車では初の角度調整機構付き2段式リヤスポイラーを装備。
ルーフを通過して乱された空気は、前部の固定翼で整流された後に後部の可変翼に当たるため、コンパクトでありながら大きなダウンフォースを発生させることができた。

スカイラインGT-R V・specⅡ(BNR34型)

スカイラインGT-R V・specⅡ 主要諸元

ヘリテージコレクションNo.280
全長:4,600㎜
全幅:1,785㎜
全高:1,360㎜
ホイールベース:2,665㎜
トレッド(前/後):1,480mm/1,490mm
車両重量:1,560㎏
サスペンション(前後共):マルチリンク
ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク対向4ピストン/ベンチレーテッドディスク対向2ピストン
タイア:245/40ZR18

スカイラインGT-R V・specⅡ エンジン主要諸元

エンジン型式:RB26DETT(直列6気筒・DOHC・ツインターボ)
総排気量:2,568㏄
最高出力:206kW(280ps)/6,800rpm
最大トルク:392N・m(40.0kgf・m)/4,400rpm

2016年に展示された際の記事は下記リンクを参照。

日産 R34GT-Rを展示
日産GT-R 2017年モデル展示イベントが、日産グローバル本社ギャラリーで2016年4月2日から5月31日まで開催されている。今回はR34GT-Rの後期型であるスカイラインGT-R V・スペックⅡを紹介する。
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スカイラインGT-R V・spec IIの動画

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